「視力回復動画」にご注意を

ネットで「視力回復」と検索すると、検索結果の一覧と同時に、Y〇u Tu〇e等にアップされている、視力回復動画が出てきます。

今まであまり気にしてみたことがなかったのですが、試しに見てみたところ色々問題があったので、今回取り上げてみました。

視力回復動画を見たことある方もない方も、参考になると思います。

 

 

 

それにしても視力回復系の動画だけでも、かなりの数がアップされていて、ちょっと驚きました。

沢山はチェックできてませんが、内容的に大まかに分けてみると、以下の感じの動画が多かったように思います。

〇ランドルト環凝視系

〇3D画像系

〇動くもの追跡系

〇視力回復情報系

 

これら以外に視力測定動画なんかもありましたが、これに関しては「パソコン・スマホでする視力測定にご注意を」で触れているので、今回は割愛します。

さて、一つずつツッコミを入れていくとしましょう。

 

〇ランドルト環凝視系

視力検査で見るランドルト環(”C”みたいなヤツですね)が画面に表示されるので、それをじっと見るようなもの。

1個だけ表示されるものや、複数表示されるもの、静止している物や動いている物、見ていると大きさが徐々に変わるものなど、いろいろ工夫されている様です。

ランドルト環を使ったトレーニングという点では当アカデミーも一緒なのですが、「なぜランドルト環を使うのか?」と言うと「その人の視力や目の状態に合わせて、大きさを設定するから」です。

 

しかし、動画ではその人の目の状態に合わせて、0.1とか0.5とかサイズを変えることはできません。

その人の目の状態にあっていない目標物では、筋肉のトレーニング効果は落ちてしまいます。

それに、ただ目標物を凝視するだけなら、別にランドルト環である必要はありません。

多分、視力トレーニングという感じを出すために、ランドルト環を使っているのだと思われますので、意味ないですね。

 

 

〇3D画像系

以前は本屋さんにもたくさん置いてあった、3D立体画像で視力回復!を動画でするタイプ。

そもそも3D画像のコンセプトが、「人間は見た映像を脳で処理する ⇒ ならば脳を鍛えれば視力も回復するはず!」というもの。

 

”3D画像で脳が鍛えられるのか!?”という疑問もありますが、それ以前に見えにくさの原因の第一はピントのズレなわけで。

ピントのずれを放置したまま脳を鍛えたところで、視力は回復しないと思いますが・・・。

30万画素のデジカメでピントが合った写真と、500万画素のデジカメでピントが合っていない写真では、どちらが鮮明でしょうかね?

 

 

〇動くもの追跡系

今回見たのは、ボールが画面の左から右、右から左、上から下、斜めなど、往復運動的に移動するのを、顔を動かさずに見る、というものでした。

このやり方は、ピントを合わせる筋肉のトレーニングではなく、眼球を上下左右に動かす筋肉のトレーニングにしかなりません。

 

目にもいろいろ筋肉がありますが、ピント合わせの筋肉に作用しているかどうか?が重要なポイント。

詳しくは当ブログ過去記事「そのトレーニングは大丈夫?その5眼筋トレーニング」「そのトレーニングは大丈夫?その6眼筋トレーニング続き」をご覧ください。

視力回復動画の中でも、一番ダメな奴だと思います。

 

 

〇視力回復情報系

こちらはトレーニングそのものの動画ではなく、いろいろな視力回復情報を紹介する動画。

これでトレーニングを行なうわけではないので、そうしょっちゅう見ることはないでしょうから、実害的には一番少ないと思います。

ただ、内容的にはかなり微妙なものばかり。

 

【毛様体筋の説明で眼球の図を使用しているが、全然違うものを毛様体筋としている】

【老視は治ると、若返りの方法を伝授する】

【”奇跡の視力回復””最強視力回復”というような、謎のうたい文句】

 

まあ、好きで見る分には構いませんが、本当に視力回復を望んでいる人に見せたいとは思いませんね~。

 

 

そして視力回復動画全般に言えるのが「近くを見ても遠くの視力は良くならない!!」ということ。

前に何度も言ってますが・・・。

1件だけ「5m離れてみてください」という動画がありましたが、それ以外は全て距離に関するくだりはありませんでした。

「1m~2mくらい離れればOK!」という動画もありましたが、ここでも目のピント合わせの機能を十分理解した発言でないのが良くわかります。

 

人間の目は、近くを見るときに目が”より目”になり、遠くを見るときは目がまっすぐに向きます。

近視の人は元々ピントが合う距離が近くにあるため、目をまっすぐに見るのが苦手。

より目の状態を脱しないと、ピント合わせの筋肉は遠くを見るような動きをあまりしないので、ピント合わせができるようにはなりません(輻輳・開散の関係)。

 

目をまっすぐに見るためには、1~2mでは難しいでしょう。

本来ならば5m以上、少なくとも3mはないと厳しいと思います。

動画作成者は「そんなん知らねえよ!」というのではないでしょうか。

そんな動画で視力が回復するでしょうかね?

 

 

正しい視力回復や目の情報を紹介する分には大歓迎なのですが、現状の視力回復動画では、あまり期待はできないようです。

せめて目や近視の勉強をしてから動画を作成してください!

これから正しい情報が増えてくることを祈ります。

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