先月の3月31日、北海道新聞に「子どもの視力低下が過去最悪 裸眼1.0未満の園児3割強」という記事が出ました。
今回はこのニュースについて色々とお話したいと思います。
記事の概要は次の通りです。
〇北海道教育委員会の調査によると、2020年度道内の幼稚園および小中高で視力1.0未満の割合が過去最悪となった
〇中でも幼稚園の悪化率が高く、前回の調査(2017年度)よりも約15ポイント増で35.97%となっていた
〇前回比では小学生が約3ポイント増の36.47%・中学生が約10ポイント増の53.83%・高校生が約7ポイント増の67.35%
〇スマホやタブレットの利用が増えたことが一因では?という見解
まあ、なかなかに衝撃的な内容だと思います。
ただいくつか気をつけてみないといけない点があります。
まず幼稚園の視力1.0未満が約36%という事ですが、幼稚園年少から年長までの全体のデータだと推測します。
そうなると年齢としては3歳から6歳までとなるでしょう。
この年齢の視力の発育状況だと、近視や遠視などに問題が無くでも裸眼で1.0が出ない子がいます。
そのため、視力は1.0無くても問題が無いケースも在ると思われます。
そこはここ最近しつこく言ってますが、視力よりも屈折度数での確認が必要なところでしょう。
視力が1.0無くても屈折度に問題なければ良いですし、逆に視力1.0あっても屈折度に近視や強めの遠視があれば対策が必要ですし。
視力だけの調査なのでそこは留意しておきたいポイントです。
もう一つは前回の調査が2017年で今回の調査が2020年ですから、間に3年あいている点です。
1年でこれだけの変化が起きていれば、これは相当えらい事だと思いますが、そうではない事。
且つ2017年だと新型コロナ前なので、その辺との違いも考慮すべきでしょう。
もちろん、それだけ新型コロナによる悪影響が強いとも言えますが。
そして記事内でありましたが「スマホなどに触れる時間が増えた可能性がある」という点。
もちろんそれも一つの要因だと考えられますが、この書き方だと”スマホが全て要因”のような印象を持ってしまう人もいるのでは?
実際コメント欄に「スマホを使っていないのに落ちた子やスマホ使っても落ちていない子も調査しろ」みたいな意見もありました。
昔からそうですが子供の目が急激に悪くなってきたときに、何かしらその犯人を捜そうとする動きがあります。
ある時はマンガ、ある時はゲーム、ある時は受験勉強、時代によって色んなもの犯人としてが言われてきました。
それが今回はスマホだったという事なのでは?とも思えます。
もちろんスマホが全く原因にならないと言っているわけではありません。
むしろ幼稚園年少や年中くらいの眼球や視機能が未発達の子供にスマホを見せることは、目にとってはかなりの負担になっていると断言しても良いです。
言いたいのは「ある特定の要因だけが犯人のような書き方は、その他に要因が無いという誤解を招きかねない」という事。
視力低下の要因は一つではなく、ほぼ間違いなく複数存在します。
スマホはあくまでもその一つであって、全てではありません。
「うちの子はスマホを使って無かったのに悪くなった!なんで!?」というケースも当然出るでしょう。
また逆に「うちの子はスマホ使っていても悪くなっていないから、スマホは大丈夫なんじゃね?」という方もいるかもしれません。
これは「タバコを吸っても癌にならない人もいるのだから、タバコは癌の原因にはならない」と言っているのと一緒です。
スマホを使ったから必ず視力が悪くなる訳ではありませんが、悪くなる恐れは高くなると言えます。
そのリスクを減らすためにどう使っていくか?という事がとても大切です。
今は悪くなっていなくても、来年・再来年も同じかどうかはわかりません。
悪くなっていない今のうちに気をつけておくことが必要です。
ざっとではありますが、この辺りを注意しておく必要があるのでは?と思います。
筆者の個人的意見としては、この低下率の増加が今後も続くのかどうか?というところが最大のポイントだと思います。
正直今回の結果は前回の結果と比べると増加率が相当高いです。
スマホの影響・コロナの影響があるとすれば、それは幼稚園に限ったとこではなくすべての年代に影響があるハズです。
それがなぜ幼稚園だけ突出して高いのか?
また、北海道だけの増加なのか?全国的なものなのか?という点も見ないといけません。
そう考えるとスマホや新型コロナの影響よりも、別の要因があるような気がしてなりませんが・・・・。
今後の更なるデータを待つこととしましょう。
参照ページ:
Yahoo!ニュース
「原因はスマートフォンにタブレット 北海道内子供の視力低下 今年度の調査で過去最悪に」
北海道新聞 「子どもの視力低下が過去最悪 裸眼1.0未満の園児3割強 道教委調査」
————————————————————————————-