ネットで視力回復関連の記事を見ていると、しばしば眼科医へのインタビュー記事があります。
視力回復を肯定するもの・否定するもの両方の内容で出てきて、視力回復の評価が眼科医の中でも分かれている印象です。
そんな記事の内容で実は前から少し気になっていたことがありまして。
それは「近視」についての言及なのか?「視力」についての言及なのか、悪い言い方をすれば紛らわしい内容のものが見られます。
もちろん近視と視力は密接な関係がありますので、完全に切り離せるものではありませんが、あまりごっちゃにすると余計な誤解を招く恐れがあります。
今回はそんな「近視」と「視力」についてのお話です。
◇誤解を招きかねない◇
「視力」とは『見たものを判別する能力』のことで、「近視」とは『ピントが網膜の前方にずれて遠方が見えづらい状態』と眼球の状態を表すことです。
つまり「視力は能力を表す言葉」で、「近視は状態を表す言葉」な訳です。
これを踏まえて以下の内容を見てみてください。
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Q.視力は回復できますか?
A.仮性近視は治せる可能性がありますが、眼球が伸びた「軸性近視」は治せません。
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パッと見ると「仮性近視なら視力も回復できるけど、軸性近視なら視力の回復もできないんだ~」と思いますよね?
でもよくよく見れば”仮性近視は治せるが軸性近視は治せない”ということを言っていて、なぜか視力回復の話ではなくなっています。
記事の文字数制限や記者の主観なども入っているケースもあるでしょうから、上記が眼科の言った通りの内容かどうかはわかりません。
でも、あまり詳しくない一般の方には、少々誤解を生じさせる書き方になっていると思います。
また、このような感じになっている原因として、眼科医の多くが裸眼視力をあまり重要視していないことがあると、筆者は推測します。
特に昔は「近視なんてメガネすれば見えるんだから、裸眼視力なんて低くても問題ない!」というような眼科医が非常に多かったのです。
そうした裸眼視力の軽視が、記事にも影響しているように思えてなりません。
◇近視は治せないが視力は回復できる◇
このブログでも何度となくお話しましたが、今の人間の医学で近視を治すことは不可能です。
ですから「軸性近視は治せない」という点には、全く異論はありません。
でも「近視が治せないなら視力の回復も不可能」と言われると、それは違う!と言います。
当ブログ過去記事「【視力回復】と【近視回復】は別物です。」で詳しくお話しましたが、軸性近視でも視力の回復は可能です。
ただし仮性近視のように裸眼を1.0まで行けるとはならず、上げられるレベルは近視の度数によって限界があります。
視力0.01を1.0までに回復させることはできませんが、0.1位なら可能性はあります。
そもそも、近視の度数と裸眼視力は完全に一致するものではありません。
【屈折度数-1.00Dの人の裸眼視力は必ず0.4】とはならず、結構な幅があります。
0.2しか見えない人もいれば、0.5位見える人もいて、その差2.5倍ほどあることも珍しくないのですが、この幅がどこから出るのか?というと「見る力の差」なのです。
仮性近視は治せる → わかる
軸性近視は治せない → わかる
軸性近視だと視力回復はできない → は?
0.02から1.0まで回復しました! → 嘘つくな!!
参照ページ:
眼の辞典 視力について
関連ページ:
視力1.0まで上がらないなら意味がない!?