「近視や視力低下を何とかしたい!」という皆さんは、とりあえずインターネットで検索することと思います。
その中で「治せる近視と治せない近視がある」というような話があるサイトがちらほら見られます。
でも、実は「治せる近視」は存在しないのです!!少なくとも今の医学では。
◇仮性近視は治せるが・・・◇
まず基本的なおさらいですが、一口に「近視」と言っても細かく分けると結構種類があるんですよ。
〇仮性近視 →近視になる前の一時的な近視状態。「仮の」近視だから、”仮性近視”。「偽近視」と呼ぶことも。
〇屈折性近視 →毛様体筋の異常緊張によるピントのずれ。軽度の近視(およそ視力0.2以上)までのため少数派。
〇軸性近視 →眼球が後方に伸びている近視。多数派。
〇単純近視 →レンズを使えば正常な視力が得られる近視。いわゆる”普通の”近視。
〇病的近視 →眼球にいびつな変形が発生している状態。近視の度数は関係なし。一番ヤバい。
まず仮性近視ですが、ハッキリ言ってこれは治せます。
仮性近視の主な原因は「近くを見すぎたことによる目の疲れ」です。
これを取り除いてあげれば、仮性近視はすぐにでも治ります。
実際、我々もトレーニングを行なう前の屈折度数が-0.50Dだった人が、トレーニング後に再度屈折度数を見たら±0.00Dになっていた、なんてケースはざらにあります。
たかだか1回のトレーニングで消えてしまうのは、ほぼ間違いなく仮性近視だからです。
でも仮性近視は前述のとおり、本格的な近視になる前の段階のため、近視が治ったとは言えないでしょう。
では眼軸が伸びていないか、伸びたとしてもわずかである屈折性近視ではどうでしょう?
ちなみにネットで言われている「治せる近視」とは”屈折性近視”を指していると思われます。
実は毛様体筋も近視の慢性化によって、器質的に変化を起こしてしまうと言われています。
異常緊張状態が取れないレベルに固まってしまうようなイメージでしょうか。
そのため初期の軽いものならばまだしも、屈折性近視だからと言って必ず治せるとは言えないのです。
実際、京阪視力回復アカデミーでも-1.50Dくらいの近視が完全に±0.00Dまで戻せたケースなんかは正直言って皆無です。
-1.50Dを-0.75Dや-0.50Dくらいまでに軽減できた、というようなケースはありますが「近視を軽減できた」と「近視が治った」は同じではありませんよね?
且つ軸性近視は完全に治すことは不可能なのは、賢明な皆さんならご存知でしょう。
なので、「治せる近視がある」というのは間違いだ、ということなのです。
◇近視は治せないが・・・◇
「それなら視力回復なんか意味ないじゃないか!?」と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。
視力が良い正視の状態から近視へと悪化していく過程はとしてイメージ的には
正視 →目が疲れる→ 仮性近視 →進行する→ 屈折性近視 →進行する→ 軸性近視 →目が疲れる→ 仮性近視が乗っかる→(延々ループ)
という感じです。
でも、屈折性近視と仮性近視は全くの別物ではなく、屈折性近視には一部仮性近視の部分も含んでいます。
同様に、軸性近視の人も仮性近視の部分と屈折性近視の部分を含んでいて、明確に分けられるものではありません。
軸性近視の人も近業が多ければ仮性近視が乗っかります。
それが取れずにどんどん蓄積されれば、今度は屈折性近視に変化してしまいます。
それも放置すれば、更なる眼軸の延長を招き近視が進行する恐れが高いでしょう。
この10年くらいで30代・40代の近視の進行が止まらない問題が出てきました。
スマホ・パソコンなどの近業過多が一つの、そして大きな要因と言われています。
強度近視であればあるほど、病的近視になる割合は高くなります。
遠くをじっと見つめることが、近視の予防法や目の疲労回復につながることは、世界共通(?)の見解です。
軸性近視に限らず、目の疲労は必ず出ます。
またどんな近視でも進行予防は大切です。
成長期の子供ほど、近視は進行してしまいます。
大人になってから失明状態になるリスクを下げるには、近視の進行予防は一つの大きな柱です。
それに対して視力回復トレーニングは、大きな貢献ができると思っています。
「軸性近視だから何やっても無駄なので諦めろ」
そんなことはありません。
逆に軸性近視だからこそ、これ以上眼球の変形を進ませないために、トレーニングが必要と我々は考えています。
参照ページ:
IMI 近視の定義と分類案レポート概要 ※PDFで開きます
関連ページ:
お問い合わせ・無料体験 お申込みフォーム