強度近視には様々な問題があります。
「遠くが見えない」なんてのは序の口で、実はそう大した問題ではありません。
〇裸眼では近くも見えない
〇メガネが使えなくなる恐れアリ
〇眼病を発症する可能性が高まる
〇次世代の近視が増える
ざっと挙げただけでもこれだけありますので、近視の進行を予防することはとても重要なのです。
でも中には「近視が進んでも大人になったらレーシック(ICL)するからいいや!」と言う方もおられるようで。
そもそもレーシック・ICLは「近視”矯正”手術」であって、「近視”回復”手術」ではありません。
レーシック・ICLで視力1.2とか1.5になっても、強度近視で伸びてしまった眼球はそのまま変わっていません。
そのため見え方が良くなったとしても、眼病等のリスクも変わっていません。
それどころか強度近視はレーシック・ICLもできなくなる場合もあるのです。
§近視矯正手術ガイドライン
2019年に「日本眼科学会屈折矯正委員会」より【屈折矯正手術のガイドライン(第7版)】が出されました。
ここにレーシック・ICLを行なう際の基準が明記されています。
その中の一つに屈折度に関する基準があります。
〇レーシック・・・-10.0Dまで
〇ICL・・・原則-6.00D以上 ただし-3.00D~-6.00D及び-15.0D以上の近視は慎重対応
レーシックは目の外側にあるレンズ「角膜」にエキシマレーザーを当てて薄くして矯正を行なう術式です。
矯正量が多く必要な強度近視ほど角膜をより薄くしないといけませんが、角膜の厚みには限界があるので-10.0Dが限界という事でしょう。
※角膜の厚さは個人差もあり人より角膜が薄めの人は、-10.0D未満でもレーシックが難しいことがあります。
それに対してICLは眼球内にレンズを挿入して矯正するものですので、レーシックよりも高い度数に対応できます。
ただし両術式に共通しているのが「近視が安定していて進行が見られない事」です。
1年ほど屈折度が変化せず安定していることが求められるようです。
そのため年齢も18歳以上となっています。
それ以下の年齢だと近視が進行する可能性が高いので、手術を受けても結局戻ってしまいますし、そう何回も手術が行えるとは限りません。
特にレーシックは残っている角膜の厚さ次第で、再手術が可能かどうかが変わります。
そしてガイドラインには次のような記載もあります。
「屈折異常の矯正において、眼鏡あるいはコンタクトレンズの装用が困難な場合、医学的あるいは他の合目的な理由が存在する場合、屈折矯正手術が検討の対象となる。
屈折矯正手術の長期予後についてはなお不確定な要素があること、正常な前眼部に侵襲を加えることなどから慎重に適応例を選択しなければならない。」
ここでのポイントは3点。
〇メガネ・コンタクトの装用が難しい場合や医学的他に理由がある場合に行なう
〇手術後、長期経過後に不確定な要素がある
〇正常な眼球に手を加える
そのため慎重に受けるかどうかを判断しないといけない、という事です。
もしくは「単にメガネやコンタクトをしたくない」というレベルでやるべき手術ではない、というようにも読めますね。
§全て近視の進行予防がカギ
でも我々も近視矯正手術を完全に否定するような考えは全くありません。
どうしてもメガネにコンプレックスがあるような場合や、裸眼での生活を取り戻したい人もいらっしゃるでしょう。
色々メリット・デメリットをきちんと比較検討したうえで、手術を行なうのはその人の判断なので尊重します。
ここで最初の話に戻るのですが、色々リスクも考えて全て理解した上で手術をやる!と決めた人が、近視が強すぎて手術が受けられない、となってしまったらどうでしょう?
こうなること恐れがわかっていたら、手術の前に近視の進行を最小限に抑える対策をとっておくべきだった、と思っても時すでに遅し。
もうどうすることもできません。
こうした事は近視矯正手術に限らず発生する可能性があります。
例えば近視が進んでメガネが厳しくなってきた人。
コンタクトレンズなら問題なくなるのでコンタクトに変えようと思ったら、涙の量不足やアレルギーなど何らかの理由でコンタクトができなかったらどうでしょう?
実際このような方からのご相談もお受けすることあります。
これらはほとんど、強度近視を予防することで解消できる部分です。
そのために子供の内から近視の進行を予防しておくのが良いのです。
近視が軽ければそれだけ可能な選択肢が増えます。
メガネも使えるしコンタクトも問題ない、そのどちらも嫌なら手術もできる。
若干内容は違いますが、オルソケラトロジーも軽度近視なら可能ですので、それも選択肢の一つとなります。
でも近視が強いと選べるものがどんどん少なくなってしまいます。
昔よりも近視の研究が進んだ結果「近視はメガネやコンタクトすればOK!」ではなくなってきました。
軽度近視なら問題なくても強度近視は問題だらけです。
そして子供の時に近視になった人ほど、大人になった頃には強度近視になっている可能性が大!です。
眼は情報の80%を得る、とても重要な器官です。
そして現時点では一旦近視になると、正視に戻すことは不可能です。
メガネでもコンタクトでも手術でも何でも良いので、何らかの手段でしっかり情報を得られるように、近視の発生と進行を最小限に抑えていきましょう。
§近視矯正手術をお考えの方へ
先ほどもお話しましたが、近視矯正手術を完全否定する考えはありません。
しかし近視矯正手術に向いている人・向いていない人はおられます。
ご自身が向いているのかいないのか?を良くお考えの上ご決断下さい。
確かに近視矯正手術で遠くは見やすくなるでしょう。
しかし遠くが見やすくなるという事は、近くは見にくくなる(≒かなり目が疲れる)という事でもあります。
では普段の生活で見る距離は、遠くと近くとどちらが多いでしょう?
普通は近くの方が圧倒的に多いハズです。
一般的な事務作業をするような方・デスクワークがメインのお仕事をされている方は、あまり手術は向いていないでしょう。
もちろんたまの休日にスポーツをするときなんかは、近視の時よりかなり具合が良いと思います。
ただそれよりも多い、毎日の仕事中にかかる目の負担は手術前よりひどくなる恐れが高いです。
メガネ・コンタクトならレンズを外せば目の負担は減らせますが、手術をした後はどうしようもありません。
近くを見る時に負担を軽くするメガネをかける、という対策はありますが、そうなるなら手術をする意味がないのでは?
一般的な事務仕事が少ないお仕事の人は、手術も適応が高いと思います。
スポーツ選手・ドライバーさん・航空関係etc…
ただこうした人でも以下の点は留意しておきましょう。
〇失敗・手術ミスの可能性
〇近視の時より老眼が早く出る
〇ドライアイになりやすい
ハッキリ言って手術も「近くも遠くもどちらもくっきり見えるし、目の疲れも問題ない」というような夢のような話ではありません。
遠くが見やすくなるという事は、逆に近くはみにくくなりますし疲れも増えます。
近視だと近くは見やすかったり疲れも軽くて済みますが、遠くは見えにくく支障があります。
どちらが良いか、しっかり考えてみてください。
関連ページ:
子供の視力低下と近視の対策に重要なポイントを詳しく解説します。
近視の発生年齢が低いほど、大人になった時に強度近視になってしまう恐れが高くなります。
なるべく近視の発生を先に延ばしたいものですが、すでに近視が出てしまっている場合は進行予防対策が重要です。
京阪視力回復アカデミーの視力回復トレーニングは、遠くをしっかり見つめることで近視の進行予防にも繋がるものです。
今メガネをどうするか?という事だけでなく、5年後・10年後・20年後の目の健康のためにも、近視の進行予防対策をお勧めします。
ご希望の方は
・【フリーダイヤル:0120-897-449までお電話】
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