眼科での視力回復と言えば、一時期はほとんどがレーシックでした。
しかし、現在はレーシックの問題点が色々と出てきており、だいぶ下火になっている様子。
その代わりなのでしょうか?さいきんはオルソケラトロジーを推す雰囲気になってきています。
その一つの要因として、「オルソケラトロジーガイドライン2017年版」から、未成年の処方が「慎重処方」とはいえ解禁されたのもありそうです。
しかし、本当にオルソケラトロジーは安全性に問題がないのでしょうか?
レーシックもあれだけ良いことばかり言われていたにも拘らず問題が出てきたので、正直オルソケラトロジーも同様の可能性を考えてしまいますが・・・。
とあるオルソケラトロジーの研究の報告書があります。
2002年から2007年にかけて、45例が2年間、29例が5年間のオルソケラトロジー使用の経過を見て、眼球のサイズの変化などを測定したもの。
この報告書の中で少し気になった記述がありました。
それは45例の2年間の使用の中で、「角膜びらん(眼病の一種で角膜上皮全層が欠損する)」を発症したのが2例、29例の5年間の使用の中で「角膜びらん」が1例、「点状表層角膜症(眼病の一種で角膜上皮の一部が欠損する)」が3例見られた、というのです。
これはオルソケラトロジーレンズ使用によるものらしく、1週間のレンズ装用中止で改善した、とのこと。
角膜びらんなどはオルソケラトロジーレンズに限らず、通常のコンタクトレンズ装用でも発生する可能性のある症状ですが、29例のうちに計4例(約13%)というのは、ちょっと多いのではないでしょうか。
角膜上皮障害は、コンタクトレンズに付着したゴミ等の汚れからも発生する場合があります。
オルソケラトロジーレンズは、通常のコンタクトに比べて形状が複雑なため、洗浄がしにくいという側面もあります。
本当に大丈夫なのでしょうか?
レーシックは一度受けたら2回はできないケースが多いようですが、オルソケラトロジーは視力を保つために、寝るときのレンズ装用をずっと継続しなければなりません。
20年・30年とレンズ装用状態での睡眠が、本当に角膜に何の影響も及ぼさないのでしょうか。
オルソケラトロジーレンズが日本で認可を得たのが2004年のことで、まだ20年も経っていません。
且つオルソケラトロジーが本格的に普及し始めたのが。ここ10年くらいのこと。
視力回復は大事ですが、目の健康はもっと大事なはず。
もう少し長期使用の安全性の確認ができるまでは、様子を見た方が良いように筆者は思いますが、皆さんはいかがでしょうか。
参照