前回の話の続きです。
裸眼視力が0.1以下というような、強い近視の場合は凸レンズによる目の疲れ軽減はできません。
強度近視になると、近くを見た時もピントが手前にずれてしまいます。(下図参照)
そのような場合に凸レンズを装用すると、ピントが更に手前にずれてしまうので、裸眼よりも近づけないと見えなくなってしまいます。(下図参照)
これではレンズの意味がありません。
そのため、強度近視の人は近くを見る時でも、通常のメガネと同じ”凹レンズ”を装用するのですが、この時に1.0など遠くが見やすいメガネをかけてしまうと、またピントが奥に突き抜けてしまいます。(下図参照)
これでは見えないので、筋肉を緊張させてピント合わせをする必要が出てしまいます。
それでは目の疲れがかえってひどくなる場合も多いため、凹レンズを装用するにしても、”最初から近くにピントが合っている弱いメガネ”をかけるのが一番です。(下図参照)
これで筋肉を緊張させるのが最小限で済みますので、目の疲れはかなり楽になります。
メガネなしでは近くも見えない方、遠方用・近方用のメガネを2本持っておいて、見る距離に応じて使い分けをすることをお勧めします!
と、ここまでスマホ老眼の話をしてきましたが、実は「スマホ老眼」というネーミングには、非常に違和感があります。
通常の老眼は「遠くは見えるけど近くが見えない」という状態です。
しかし、いわゆるスマホ老眼の場合、目のピント調節機能の動きを考えれば、近くだけでなく遠くも見えにくくなっているはずです。
ですので、「スマホ老眼」という呼び方は???ではないでしょうか。