「バイオニックレンズ」なんだかちょっとカッコいい響きですね!近未来的な?
ちなみに「バイオニック(bionic)」とは”生物工学の”・”超人的な”・”サイボーグのような”という意味だそうです(Weblioより)。
やっぱりカッコいいかも。
・・・話がそれました。
そもそもバイオニックレンズとは、いわゆる眼内レンズの一種の様子。
注射器のような器具の中に折りたたまれたレンズが入っていて、生理的食塩水と一緒に眼内へ注入。
するとレンズが開いて眼内に固定される、とのこと。
詳しくお知りになりたい方は、ググっていただくとすぐに出てきます。
要するに、目の中にもう一枚レンズを入れる術式のようです。
色々見てみると、いくつか気になった内容があったので、ご紹介していきましょう。
〇視力が3.0まで回復する
これは結構いろんなサイトで見られました。
しかしこれはハッキリ言ってかなり怪しい話。
まず、そもそもレンズの役割は「ピントのズレを直すこと」です。
そのため、やたらむやみに強いレンズを使ったから高い視力になるわけではなく、その人のピントのズレを直せる度数だから見えるようになるのです。
とあるサイトには「バイオニックレンズは高い矯正力があるので3.0の視力が得られる」等とありましたが、これはレンズが見える仕組みがわかっていないとしか思えない記述。
そしてもう一つ。完全にピントのズレが矯正できたとして、視力3.0が得られる人はかなり限られます。
視力2.0以上が見える為には、網膜の解像度なんかも関係していると思われますので、ピントが合っているから3.0が見える、とは単純に言えないのです。
個人的には民族性やDNAなんかも関係していると思っています。
少なくとも、筆者は日本人で3.0が見えた人は一人も見たことがなく、最高でも2.4です。
ちなみに視力2.4とは、5m離れて直径3mmの環の切れ目がわかる、というもの。
これでも十分すごいですよね!
視力3.0になれる ⇒ △外国人ならあるかも。 日本人だとほぼ×
〇視力低下が起こらない
バイオニックレンズは、特殊な生体ポリマーで出来たレンズで、経年劣化による視力低下は起こらない、と言われています。
しかし、本来の持っている近視が進行してしまった場合はどうなのか?
答えは「視力は低下する」です。
前述のとおり、レンズはあくまでも「ズレたピントを直す」ものですから、土台のズレがひどくなってしまうと、矯正できなくなってしまいます。
レー〇ックでもフェイ〇ックIOLでも何でもそうですが、近視が進行してしまえば、視力は再び低下してしまいます。
バイオニックレンズ自体にレンズ矯正力が変化する仕組みが無い限り、不可能な話なのです。
視力低下が起こらない ⇒ × 近視が進行すれば視力は低下する
〇白内障になる心配がなくなる
これは情報が少なすぎて、どういう原理か全くわかりませんでした。
白内障とは、目の中のレンズ”水晶体”が白く濁ってしまう病気ですが、バイオニックレンズが何故水晶体の濁りを予防できるのか?水晶体への外的作用があるのか?今後の研究発表を待つしかなさそうです。
白内障にならなくなる ⇒ △ ちょっとよく分からない
バイオニックレンズは、まだまだ研究段階のようで、長期的な副作用の問題の有無なども分かっていません。
少なくとも日本で実施されるのは、早くても数年後の様子。
手術自体は痛みもほとんどなく、短時間で終了するため「レーシ〇クは嫌だけど・・・」という方の中には、受けられる方もいるかもしれませんが、どんな手術療法でも近視の進行予防を一緒に考えておかないと、視力は再び低下してしまう方が少なくありません。
まずは自分の目の使い方を見直すことから始めてはいかがでしょうか。