エアラインパイロットを目指し航空大学校を志望する皆さんに、身体検査が行われる時期が今年もやってきました。
京阪視力回復アカデミーへも、パイロット志望の方からのお問い合わせが増えてきています。
ただ、皆さん視力回復を結構甘く考えている方が多いように思います。
そこで今回は「視力回復は試験対策の一つ」ということをお話したいと思います。
◇視力回復トレーニングでできること・できないこと◇
まず何度もお話していることですが、裸眼視力の回復には限界があります。
0.1以下の視力の方が1.0以上の視力への回復は、ハッキリ言って不可能です。
航空身体検査の基準としては「片眼0.7以上及び両眼で1.0以上」ですので、裸眼でこの基準をクリアするためには、近視が軽いものでなければなりません。
そこで屈折度数の軽減という話になってくるのですが、それは不可能ではないのですが残念ながら限界があります。
屈折度数の大幅な軽減は難しく、こちらでできるとしても-0.75Dとか-1.00D程度軽減できるかどうか、といったところ。
且つ視力回復トレーニングを行なったら必ず屈折度数が軽減できる、とも言えません。
軽減できた方もいれば、出来なかった方もいらっしゃいます。
そもそも屈折度数が大幅に、且つ確実に軽減できるなら、近視が治せるという話になりますけども、それはまだ無理なんです。
これが視力回復の現実です。
◇視力だけでなく屈折度数が把握できているか?◇
皆さん、ご自身の視力は大まかではありますが、把握している方が多いのですが、屈折度数となるとご存じないことが多いように思います。
ちなみにメガネやコンタクトレンズの度数は、その方の屈折度数とイコールではありませんので、ご注意を。
よく電話でのお問い合わせの際に「-6.00Dのコンタクトで1.0見えるので、屈折度数は-6.00Dだと思います」と仰る方がいますが、きちんとオートレフラクトメーターという機械で測定したり、矯正レンズで確認すると度数が違う、ということが少なくありません。
レンズの度数はあくまでも目安なので、きちんと自身の屈折度数を確認しておきましょう。
大変申し上げにくいことですが、その時点で-8.00Dを大幅に超えてしまっている方は、パイロットは厳しいと言わざるを得ません。
トレーニングで屈折度数の軽減は、特に-8.00Dを超えているような強い度数の場合は、かなり困難です。
レーシックは条件付きでOKとなる場合もあります(注1)が、オルソケラトロジーは不可となっています。
でもここで悩みどころなのが、-8.00Dギリギリとか、ちょっとだけ超えてしまっているようなケース。
この場合は、もしかしたら視力回復トレーニングで何とかできるかもしれません。
ただし、時間に余裕があれば。
注1)レーシック既往歴がある場合は、術後6か月以上が経過して状態が安定し、「視力の日内変動」「コントラスト感度」「グレアテスト」「角膜形状解析」などを行ない、異常が認められない場合に適合と判断される場合があります。
◇視力回復できるとしても時間はかかる◇
京阪視力回復アカデミーで過去にトレーニングを行なって、屈折度数が-0.75Dとか-1.00Dとか軽減できた場合でも、1年間とかもしくはそれ以上、という期間がかかっています。
2~3か月とか半年とかでは、そこまでの軽減ができた方は、ほぼいらっしゃいません。
そのため、とにかく早く対策をとっていただきたいのです。
「パイロットを志望しているのですが、近視の度数が規定を超えてしまっているので、何とかしたくて・・・」
『ちなみに身体測定はいつ頃お受けになる予定ですか?』
「2か月後です」
『・・・・・無理です』
こんなやり取りが何度あったことか!!
パイロットに良好な視力が求められるのは、一般常識レベルで皆さんご存じのはず。
ペーパーテストや適性検査・面接などが全てクリアできる能力があっても、視力が悪ければその先には進めません。
ですから、視力回復(≒近視の進行予防)は試験対策なのです。
まずは現在の視力と屈折度数を把握すること。
状態に問題がなければOKですが、規定内ギリギリだったり軽くオーバーしている場合は、早急に対策を取りましょう。
特に軽くオーバーしている人は「一次試験が終わってから・・・」なんて流暢なこと言っている場合ではないですよ!
◇パイロットになるために万全を期す◇
「一次試験に合格しないと視力を上げたって意味がない」なんて考えている方もいるかもしれません。
でも視力が悪ければ、一次試験に合格してもその先には決して進めないのですから、その方が意味ないと思います。
全ての試験をクリアして初めて、パイロットになる道が開けるのですから、すべての対策をとっておくべきではないでしょうか。
なぜか視力に関しては、直前まで放置しておいている方がいらっしゃるようなので・・・。
例えば航空大学校を受験するとした場合、試験対策は1年前どころかもっと前から準備しますよね?
その準備の中に視力回復・低下予防も入れておいていただきたいのです。
昔は「20歳超えたら視力は落ちなくなる」なんて言われていました。
しかし、今はそんな時代ではありません。
目の使い方によっては30代・40代でも近視の進行が止まらないケースが増えています。
受験生は相当目を使いますので、近視の進行が起こらない方が不思議、といっても過言ではありません。
とにかく油断せず、定期的に目の状態のチェックを怠らないよう、心がけておいてください。
京阪視力回復アカデミーの視力回復トレーニングをご希望される方は、下記のお申込みフォームからどうぞ。
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