前回の話の続きです。
「メガネをかけると視力が落ちるからメガネはかけない」というようなことを仰る人がいます。
以前にセンターに通っていたお子さんのお母さんが、「自分がメガネをかけたら悪くなったので、子供にはメガネをかけさせない」と言っていました。
ご自身の経験を基にしているので、お気持ちはわかりますが、ある程度進行した近視の場合、見えないのに無理に裸眼で見させるのも、色々問題が発生する恐れがあるので注意が必要です。
まず、ある程度進行した近視になると、遠くはもちろん近くでも網膜にピントが合わなくなります。
その状態が続いてしまうと網膜の感度が鈍ってしまい、レンズでピントをあわせても視力が正常(日本では1.0以上)に出なくなる場合があるのです。
また網膜の感度は問題なくても、近視が強くなると裸眼は相当ぼやけていますので、レンズを使った時と見え方のギャップが大きすぎて、”クラクラする”・”気持ち悪くてかけられない”等と適切な度数にできない場合があります。
「0.5くらいなら大丈夫だけど、0.7にすると気持ち悪い」といった具合です。
「見えにくいものを頑張って見る」これはある意味視力回復トレーニングの基本ですが、日常的に無理に強いるとかえって疲労など負担になりかねません。
筋トレのオーバーワーク的になっていまい、あまり良い結果は生まないことの方が多いようです。
メガネは目にとって良いものにもなれば、逆に悪いものにもなる可能性があります。
そのカギを握っているのが、レンズ度数と使い方です。
うまく作ってうまく使って、目にとって良いものにしていきましょう。
次回は遠視の場合の話になります。