レーシックのサイトを見ていると、最近「角膜強靭化(かくまくきょうじんか)」というワードが多く見られるようになってきました。
レーシックと同時にこの角膜強靭化を行なうことで、通常ではレーシックができない人でもレーシックができるようになったり、術後の近視の戻りを防ぐことができる、みたいなことらしいです。
ちょっと???な内容だったので、今回はこれについてお話したいと思います。
そもそも角膜強靭化とは、その名のとおり角膜の強度を上げる術式です。
ものすごくざっくり説明すると、ビタミンB2を含ませた角膜に紫外線を当てると、角膜が固くなります。
本来は円錐角膜という眼病の治療の一環として行われているもの。
ちなみに円錐角膜とは、角膜の一部が薄くなり歪んで凹凸ができてしまう病気です。
一般的にはコンタクトレンズで角膜の変形を抑えたり、それでも角膜の変形が抑制できないと、最終的には角膜移植を行なわないといけません。
ただし、角膜移植はリスクも低くなく、できればそこに至るまでに角膜の変形が抑制できれば、それに越したことはありません。
そこで角膜の硬度を高めることで、変形を防いでいこうという治療が行われるようになりました。
しかし、角膜強靭化にもリスクはあります。
角膜の変形が進み、角膜がかなり薄くなってしまうと、紫外線が目の奥の網膜に到達してしまい、害を及ぼす恐れが出てしまいます。
実際、かなり進行した円錐角膜には角膜強靭化ができないこともあるようです。
そこで、再びレーシックと角膜強靭化の話になりますが、レーシックはレーザーで角膜を削ります。
当然、角膜は薄くなります。
その薄くなった角膜に紫外線を当てた時、網膜に紫外線が到達してしまう恐れは大丈夫なのでしょうか?
近視が強ければ強いほど、角膜を多く削らなければなりません。
そうした人の方が、角膜強靭化は行えなくなる可能性が高くなるはずですが、筆者がレーシックのサイトを見た限りでは、そのような説明はありませんでした。
本当に大丈夫なのでしょうか?
そしてもう一つ気になるのが、角膜強靭化によるレーシック後の近視の戻りの抑制効果。
レーシックで角膜を削り薄くなった時に、眼球内からの圧力で角膜が膨らんで近視が戻ることがあります。
角膜強靭化で角膜が固くなれば、これが防げるというのです。
確かに角膜が固くなれば、角膜の厚みが増えるのは防げるでしょう。
しかし、近視の進行は角膜の厚みの問題だけではありません。
眼球自体が後方に伸びていくことでも、近視の進行が発生します。
角膜の強靭化では、眼球後方への変形は抑えられないでしょう。
角膜強靭化は通常のレーシック料金に加えてのオプションで、10万円~はする模様。
近視の進行予防効果も???な上に、紫外線のリスクも懸念され、さらには金額も高くなる角膜強靭化。
とあるサイトでは「レーシックを受ける患者が少なくなったため、付加価値をつけて金額を高くしている」などと、かなり辛辣な内容のことも書かれていました。
まあ、色々調べてみれば、そう思われる人も出てくるでしょうなぁ、という感想です。
もう一度言いますが、角膜強靭化は本来円錐角膜の治療のためのもの。
レーシックと角膜強靭化の併用は、安全性が確立されているのか?
よくよく確認の上、受けるかどうか判断してください。
なお京阪視力回復アカデミーでは、「レーシック後に視力が落ちた」という方からの、視力回復トレーニングのご相談もお受けております。
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。