「近視を手術で何とかする」という考えのもと、古くは1800年代後半から色々な近視矯正手術が行われてきました。
その歴史を軽くご紹介すると、
〇Fukara手術(1900年代初頭頃)
遠近ピント調節を行なう「水晶体」を摘出し強度近視を矯正しようとしたが、逆に強度遠視になる人が多発した。
〇RK手術(1970~1980年代頃)
角膜にダイヤモンドメスで放射状に切れ込みを入れ、カーブを扁平化する。成功かどうかは術者の技量に大きく影響される。
〇PRK手術(1980~1990年代頃)
角膜にレーザーを照射してカーブを扁平化する。術後の痛みや角膜細胞の再生まで時間がかかり、視力の安定化にも影響あり。
〇LASIK(1990~2010年代頃)
レーザーによる角膜扁平化はPRK手術と同様だが、角膜表面に薄いフラップを作ることで術後の痛み軽減や感染症の減少に。
〇ICL(2010年代頃~)
水晶体は残したまま眼球内部にレンズを挿入することでピント矯正を行なう。レンズは取り出すことも可能。
この他、特殊形状のコンタクトレンズにより角膜の扁平化を行なう「オルソケラトロジー」もありますが、これは手術ではありません。
上記の術式の中で、近年はLASIKかICLが主流となっています。
やはり過去の手術は色々問題点もあって改良・淘汰された結果、現在はLASIkかICLに落ち着いているといったところでしょう。
そこで表題の話ですが、近視矯正手術を希望する皆さんは「メガネ・コンタクトレンズ無しで良い視力を得たい!」となります。
そのため、どうしても高い視力を求めてしまい「1.0より1.2・1.2より1.5を!」となりがちです。
且つ手術を行なうクリニックも「0.02から1.5へ!」このような宣伝を行なうケースが多いようです。
高い視力が得られること自体悪いとは思いませんが、果たして現実の生活に即しているでしょうか?
例えば、普段の生活で数メートル離れた場所から1㎝程度の大きさの文字を見る機会って、どれだけありますか?
多分ほとんど無い方が大多数派だと思います。
そもそも普段の生活では遠くを見る機会と近くを見る機会では、どちらが多いですか?
職業により大きく違いと思いますが、これも近くを見る機会が多い方の方が多いと思います。
それを考えると裸眼で1.2とか1.5の状態は、今までの0.2とか0.3の状態よりも普段見る近距離にはピントが合いづらくなってしまいます。
そのため自分の生活環境やスタイルを思い返して、本当に1.2とか1.5とか遠くが見える方がベストなのか?
それともある程度遠くも見えるけど、そこまで遠く寄りでない視力程度にしておくのか?
この辺の選択は、術後の視力QOLに大きく影響があるでしょう。
若いうちは遠くから近くへのピント合わせも普通にできます。
でも年齢を重ねると、老眼でなくても近くを見るのがしんどくなります。
「見えるけど前よりもすごく疲れる」という感じです。
それで本当に1.2が必要ですか?
とあるICLの手術を受けた方のブログを見ました。
その方はICLを受けたものの状態がよろしくなく、眼内レンズを取り出したそうです。
そしてレンズを取り除いた後も、手術前と完全に同じ状態には戻っていないそうです。
ICLは「レンズを取り除けば手術前の状態に戻せます」という謳い文句はどこへ???という感じです。
まあ、この辺は個人差という部分はあるでしょうから、それをもってICLは止めた方が良いとまでは言いません。
中にはICLにとても満足している方もたくさんいらっしゃるでしょうし。
ただそのブログには次のように書かれていました。
「クリニックでは視力が出ていれば成功と主張します。でも私は、健康状態が守られて視力が出ていれば成功だと思います。(原文ママ)」
いくら遠くの視力は上がったとしても、近くを見る時に問題が生じていれば、決して満足の得られる状態とは言えないでしょう。
そして手術は頻度は高くはないものの、失敗や後遺症の問題は必ずあります。
誰が受けても100%全く何も問題が出ない、という事はあり得ません。
このブログ主さんはひどい眼背疲労と手術の影響かは不明ですが、乱視の増加を招いたしまったようです。
そうしたことをきちんと想定して、何かあった時に自分で納得できるか?
何かあった時にクリニックの対応はきちんとしているのか?
良く調べた上で手術を受けるかどうか、受けるとしたらどのクリニックで受けるのか?という事をきちんと考えて、手術を行なうかどうか決めてください。
近視矯正手術にも限界はあります。
あまりにも近視が強すぎると、手術自体の適応が無くなってしまい、受けられない事態も発生します。
選択肢を広げるためには、近視の進行を最小限に抑えておくことが一番です。
京阪視力回復アカデミーでは近視の進行予防を第一に、遠方凝視トレーニングを行なっております。
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