近視の予防や治療には未だ決定的な方法はなく、現在でも玉石混交というか色々なことが言われております。
流行りもののように新しい方法が出てきては消えていき、また新たなものが出てくるという感じで、なんかダイエット法のようですね・・・。
ざっと思い出せるだけでも「速読で視力回復」「スプーンで視力回復」「視力が回復する写真」などなど。
まあ、これらはあまり根拠のある方法とは言えませんので、この後のお話とは少し別物です。
昨年アメリカの眼科学会の雑誌に「レッドライト治療法」なるものが発表され、話題となりつつあるようです。
まだまだ未知数のものですが、今後の期待も込めて今回は「レッドライト治療法」をご紹介します。
この「レッドライト治療法」は2014年に中国で偶然発見されたそうです。
波長650nmの赤色光が眼軸の延長を抑制する効果が見られた、とのこと。
且つ現時点(2022年)で「副作用はない」と報告されているそうですが、筆者は将来的にまだなんとも?だと思います。
1回3分・1日2回赤色光をのぞき込むだけで良いそうです。
実はこれを読んだ時昭和な筆者は「コタツの中で過ごせば良いのか!?」と思いましたが、お分かりになる方だけで良いです。(コタツの赤色光が650nmかも不明ですし・・・)
ただ色々ネットで探して見ましたが、具体的な抑制効果の数値(例えば”近視の進行を60%抑制する”など)は見つかりませんでした。
出てきたのは要約すると「真面目に治療を行なった人の90%に近視抑制効果があった」という話のみ。
正直これだけでは???という印象です。
現在は「近視発症前の子供にレッドライト治療法を行なうことで近視の発生予防ができないか?」とか「伸びた眼軸を基に戻せないか?」というような比較試験が行われているようで、その報告が待たれます。
この「レッドライト治療法」に限りませんが、現状近視を正視に戻すような治療法は存在しません。
低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーにしても「近視の進行を抑制する」というものであって、一度発生した近視が治っていくものではなく、それが近視に対して今の人類の限界のようです。
たまに「視力回復すれば近視も治る!」と思っている方がおられるようですが、残念ながらそういう訳ではありません。
ただ、このブログの過去記事「軽度~中度近視になろう!」「とにかく近視の進行を最小限に抑えましょう」など、度々お話してきましたが、先進国では軽い近視は非常に有利に働くことも少なからずあります。
でも手元すら見えなくなる強度近視や病的近視になるのは、何一つ有利なことはありません。
ですから近視の進行を抑制することは、視力の回復と同じかそれ以上にとても大切なことなのです。
また、現時点では一つの方法で近視の進行を抑制することも難しいと言って良いと思います。
「これだけやれば近視の進行を抑えられる!」という方法って、我々の視力回復トレーニングも含めて難しいのでは?
そのため我々は色んな視力回復法や近視抑制治療法をやっていきましょう!と皆さんにお伝えしています。
もちろん内容的にどう考えてもおかしいもの(前回の記事のような)は、やったところで意味がないのでおススメはしません。
でも視力回復トレーニングと併用して相乗効果が期待できそうなものは、是非試していってください。
低濃度アトロピン点眼に関しては、我々も結構期待しているんですけどね。
治療効果がハッキリするなら早いとこ承認して、保険適用されればよいのに!!
そして中にはオルソケラトロジーと我々の視力回復トレーニングを、並行して行なっている方もいらっしゃいます。
もし一つの方法だけよりも2種類の方法をダブルで行なった方が効果的ならば、これは是非やるべきだと思っています。
ただ繰り返しますがどんな方法でもよい良いという訳ではなく、あくまでも近視・遠視・乱視の症状や眼球の構造上の話に対して、最低限「やって害はないし理論上可能性がある」というものに限りますので、ご注意ください。
参照ページ:
日本近視学会監修 親子で学ぶ近視サイト「近視の抑制・治療」
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