皆さんは「暗い所で本を読むと目が悪くなるよ!」と言われたことはありませんか?
実はこれ、暗いのが問題ではないんです!
それどころか、明るすぎるとかえって目は疲れやすくなってしまいます。
今回は目と明るさの関係についてお話しましょう。
◇明るいときと暗いときの目の違い◇
人間の目は、明るい所では目の中に入る光の量を少なくするために、黒目の中心にある「瞳孔」という部分を小さくします。(↓画像参照)
この「瞳孔」は副交感神経により目の中のピント調節の筋肉と連動していて、瞳孔を小さくすると筋肉は近くを見る時と同じような、緊張している状態になってしまいます。
そのため、目の疲れが出やすい状態になるのです。
逆に暗い所を見た時は、目の中にできるだけ多く光を取り込もうと、瞳孔を大きく開きます。(↓画像参照)
この時、目の中の筋肉は緩むので、逆に目は疲れにくい状態と言えます。
このように目の仕組みから考えると、答えはハッキリしているんです。
◇見えるなら明るくする必要はない◇
では、なぜ「暗い所で本を読むと目が悪くなる」と言われるのでしょう?
これは、明るさの問題ではなく、距離の問題です。
暗いと文字が見えにくくなりますので、必然的に目を近づけて見てしまいます。
近い距離で見るのは、目の筋肉を緊張させますので、目が疲れやすくなってしまいます。
これが「暗い所で本を読むと目が悪くなる」事の原因なんです。
ですから逆に考えれば「暗い所でも目を離して見れば、目の疲れは出にくくなる」という事でもあるのです。
大体30cm~40cm離して見える最低限の明るさであれば、目にとっては悪いものではないばかりか、逆に明るすぎる状況よりは目にとって良い状況とも言えるのです。
後は「どういうものを見るか?」によっても、必要な明るさは変わります。
ひらがなが多いのか?漢字が多いのか?漢字も複雑な漢字が多いのか?字間・行間・文字サイズはどうなのか?
こうしたことを踏まえて、「見えにくくならない明るさ」を確認するのが一番です。
最近はスマホのアプリで明るさを計測できる物もあるので、気になる方は検索してみてください。
◇明るくしすぎて目を疲れさせないために◇
我々が考える、目の負担が少ない明るさの目安は以下の通りです。
・幼稚園~小学校低学年 300LUX前後
・小学校高学年~中学生 400LUX前後
・高校生~大学生 500LUX前後
・辞書、文庫本 600LUX前後
・色彩、デザイン作業 700LUX前後
参考にしてみてください。
そして、よくあるのが「昼間は見えるけど夜は見えにくくなる」というもの。
こうした場合は、いわゆるデスクスタンドを使用しましょう。
最近の主流はLEDなので明るさが強すぎるということは少なくなりましたが、蛍光灯タイプのスタンドはかなり明るさが強く、1000LUXを優に超えてしまうようなケースもありました。
特に子供さんの勉強机に備え付けられているスタンドは、明るさが強いものが多いように思います。
その場合は、ワット数の弱いものを使いましょう。
手元のスタンドであれば、15W程度の物で十分です。
色は白色タイプよりもオレンジ系の物が、明るさは弱く感じやすいので、明るすぎる場合は白色タイプは避けたほうが良いでしょう。
◇部屋を少し暗めにして目の疲れ軽減を◇
人間の目は暗い所の方が休まります。
何か細かいものを見る時には、ある程度の明るさは必要ですが、特に何か見る訳でもない時まで明るくしすぎるのは、かえって目の負担になりかねません。
ちょっと部屋の明るさを落として、家族団らんの一時を作ってみるのはいかがでしょうか?
一つだけ注意ですが、照明を暗めにした室内で、パソコンやスマホを見る場合。
画面は明るいのに周りは暗い、といった状況は目にとって好ましくありません。
パソコン・スマホを見るときは、画面の明るさに合わせて、照明も少しだけ強めにした方が良いと思います。
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