昔話ですが、20歳男性の方からご相談がありました。
聞くと「車の免許を取るためにLASIKを受けようと思ったが、手術できないと断られてしまった」というのです。
眼の状態をみてみると、左右の目ともに強めの遠視で、レンズを使った矯正視力が0.2くらいまでしか見えませんでした。
つまり、ピントがきちんと合っているにも関わらず、視力が0.2しか出ないということ。
LASIKはあくまでもピントのずれを矯正するものなので、ピントが合っていても視力が出なければ、LASIKをしても良い視力は得られません。
状態的には”弱視”に近いような感じでした。
上記のようなことをご説明すると、本人と親御さん(学生さんだったため)もびっくり。
遠視ということも知らなかったそうです。う~ん、これは・・・。
当然、弱視的なことも全く知らず、年齢による視力回復の限界をご説明すると、だいぶ凹んでおられました。
とりあえず「体験トレーニングで視力が少しでも動くなら、視力回復の可能性もあるかも?」ということで行ってみたところ、少し小さい”わ”で正解することができていました。
これには本人も手ごたえがあったようで、「是非トレーニングをやりたい!」と仰っていただきました。
とはいえ、本来このご年齢だと弱視の回復は非常に厳しいところ。
まずは1か月トレーニングをみっちりやってみて、その結果を見て続けるかどうか考えていこう、ということとなりました。
いくら体験トレーニングで少し見えたとは言っても、その後続くかどうかは微妙なところですしね。
また、今までメガネも全く持っていなかったため、急ぎでメガネも作成しました。
弱視の回復にはメガネが必要不可欠です。
一応眼科さんにメガネの相談にも行ったそうですが、視力も出ないし年齢的にも「もう無理」と作ってもらえなかったそうで、結局こちらでメガネも作成しています。
遠くはしっかり見えないとしても、近くを見るときの目の疲れは、メガネでだいぶ軽減できるはず。
視力回復のためだけでなく、目のケアとしてもメガネがあったほうが良いのです。
そんな感じでトレーニングを頑張った結果、1か月後にの視力検査で、しっかり視力が伸びてきて、これは半年くらいは腰を据えてやっていこう!ということになりました。
ご本人のモチベーションが高かったのは、かなり大きなポイントだったと思います。
そして半年から10か月ほど頑張って、なんと矯正視力が0.8まで見えるようになり、とりあえずメガネをかけての状態ではあるものの、運転免許の視力検査に見事合格!
本人は「もう少し頑張って、裸眼で免許が取れるくらいになりたい!」とのこと。
20歳で弱視(?)が何とかできたなんて、本当に信じられない経験でした。
このケースが全ての人に当てはまるとは言えませんが、あきらめずにチャレンジすることは大事なんですね。