近視の人が遠視になることは無い!老眼と遠視の違いも含めて解説します

ネットやSNS等で目や視力に関する色々な情報収集をしていると、「気づいたら遠視になってた」「近視な上に遠視も入ってきて・・・」というような話が出てきます。

でも実はこれ、近視と遠視の性質上あり得ない状況で、まず一般的に起こる話ではありません。

また、文脈をみると老眼になっているであろう状態を、「遠視になった」と言っているような感じも見受けられます。

 

遠視と老眼は似たような・同じようなものと思っている人もいるようですが、実は全く別物です。

遠視と老眼の対策は大きく違いますので、ここを間違うとかえって目に負担をかけてしまう恐れがあります。

そこで今回は「近視が遠視になることは無い」と言う話と「遠視と老眼の違い」を詳しく解説します。

 

 

◇近視と遠視の基礎知識◇

まずは基本中の基本、正視と近視と遠視の違いを眼球の図で解説しましょう。

正視はピント合わせを行なわない状態で、焦点が眼球の底にある「網膜」に合います。

近視はピント合わせを行なわない状態で、焦点が眼球の底にある「網膜」よりも手前にズレる状態です。

遠視はピント合わせを行なわない状態で、焦点が網膜の底にある「網膜」よりも後ろにズレる状態です。

 

近視でピントがずれるのは「眼球が通常のサイズより長い」事が一番の要因です。

遠視でピントがずれるのは「眼球が通常のサイズより短い」事が一番の要因です。

つまり近視と遠視では眼球のサイズに大きな違いがあります。

 

一般的に-3.00Dの近視で、眼球は平均よりも約1㎜長い(約25㎜前後)と言われています。

逆に+3.00Dの遠視では、眼球は平均よりも約1㎜短い(約23㎜前後)と言われています。

眼球が1㎜伸びただけで、視力は裸眼で1.0以上から0.1前後まで低下します。

ただ単に歳をとるだけでこのレベルの変化が眼球に起こる可能性は、完全にゼロとは言いませんが限りなくゼロに近いと言えるでしょう。

 

更に言うと「昔よりかなり遠視が進行した」というのも、かなり発生しにくい状態です。

遠視が進行するためには眼球がドンドン小さくなっているハズですが、基本的に眼球が小さくなることはありません。

見た目的に「目が小さくなる」と言うのはある話ですが、これは瞼や目の周りの筋肉の衰えで瞳が見える面積が小さくなっていく事などが原因なので、眼球そのものが小さくなっている訳ではありません。

眼球そのものが小さくなる「眼球萎縮」と言う病気もありますが、これは視野が欠けたり裸眼視力どころか矯正視力も出なくなるようなものなので、これも遠視が進行した訳ではありません。

 

高齢者は加齢とともに身長が低くなることがあります。

このことが「近視から遠視になった」という話に繋がるのでは?という推測もしました。

しかし高齢者の身長が低くなる原因は、

・体内の水分量減少により背骨の椎間板が薄くなる
・骨粗鬆症からの骨折・骨変形
・生活習慣による姿勢不良

等と言われていて、どれも眼球には当てはまりませんね。

 

そして仮に眼球が短くなるとした場合、これはある日突然眼球が短くなるわけではなく、少しずつ徐々に縮んでいくはず。

そうなると途中で必ず網膜に焦点が合う正視の状態が発生します。

その場合、今まで使っていた近視のメガネは全然合わなくなり、欠けると逆に遠くも見えにくくなりますが、そんな話は一切出てきませんので、ある意味これが答えなのではないでしょうか。

 

 

 

◇老視(老眼)の基礎知識◇

次に老眼のお話ですが、一言で言ってしまえば「目の老化現象」です。

長年の老廃物の蓄積によって、主に水晶体の弾力性が失われていきます。

近くを見る時に水晶体を厚くしないといけませんが、これができなくなるので手元が見えなくなるのです。

昔は「近視だと老眼にならない」というような話もありましたが、これは間違いです。

近視の人は元々ピントが近くにあっていて、わざわざ水晶体を厚くする必要がありませんから見えますが、これは裸眼の状態限定です。

メガネやコンタクトレンズで完全に近視を矯正した状態では、途端に近くが見えなくなってしまいます。

逆に言えば完全矯正のメガネをかけた状態で近くが普通に見える人は、まだまだ老眼は大丈夫ということですね。

 

近視も老眼になりますが、正視や遠視の方が早い段階で老眼の症状が現れます。

正視も遠視もピント調節をしない状態では焦点が遠くに合いますので、近くを見る時は近視よりもピント調節を多く強いられます。

正視の人だと40歳以降から老眼症状が出始めるのが一般的ですが、強い遠視の場合は20代とか30代で出てしまう場合もあるようです。

 

 

◇遠視と老視は何が違う?◇

冒頭に述べたように、遠視と老眼がごっちゃになってしまっている人が散見されます。

しかし遠視と老眼は症状は似ているかもしれませんが、全然違うものです。

どちらも近くが見えにくいと言う点は似ていますが、近くが見えにくい原因が遠視は「眼球が小さい」・老眼は「水晶体の弾力性が低い」と、まずこれが違います。

 

そもそものお話ですが、全ての遠視は近くが見えにくい訳ではありません。

軽い遠視だと遠くはもちろん、近くも普通に見えます。

ただ正視や遠視と比べると目の疲れは大きいですが、軽度遠視なら裸眼で近くは全然普通に見ることが可能です。

 

逆に強い遠視になると、今度は裸眼では近くどころか遠くも見えなくなります。

この「近くも遠くも見えない」のが、小児の視機能の発育を邪魔してしまい、メガネをかけても視力が出ない「弱視」となる原因です。

この辺も老眼と全く違う点ですね。

 

そして遠視は眼球が小さいことが原因なので、成長期で年齢が上がるとともに眼球が大きくなっていけば、遠視は改善されていきます。

しかし老眼は年齢が上がればそれだけ老廃物が蓄積されていくので、どんどん老眼の症状は悪くなります。

通常70代くらいまでは老眼の症状が進む方が多いようですね。

これも遠視と老眼の大きな違いです。

 

 

◇老眼になった場合どうするか?◇

残念ながら老眼は老化現象ですので、根本的な治療法はありません。

眼球・水晶体を若い時の状態に戻さないといけませんが、そんなことは現時点では不可能です。

できて「老眼の進行を多少遅らせる」くらい。

 

例えるなら「60歳なのに40代くらいのお肌に見える」と言うような感じが限界で、「60歳なのに20歳みたいなお肌のつや!」そんな事はありません。

そのため「これをやれば老眼が治る・改善される」と言う謳い文句の視力回復法やグッズは、全て偽物と思って結構です。

本当に目や近視・老眼のことを理解しているならそんなことは言いませんし、理解したうえで言っているなら余計に悪質で騙す気マンマンですね。

 

ある程度老眼の進行を遅らせる、という目的でトレーニング的なことをするのは構いません。

実際、京阪視力回復アカデミーでも老眼のためのトレーニング法がありますから。

しかしこれで完全に老眼が無くなるわけではありませんので、それは事前に必ずご説明しご納得いただけた方のみお勧めしています。

正直、コストパフォーマンス的にはあまりおススメではないですけども。

 

老眼の対処としては、やはり老眼鏡を使う事でしょう。

見えない物を無理やり見ようとするのは、かえって目の負担やトレスにもなりかねません。

元々正視でメガネをかけていなかった人ほど老眼鏡に抵抗があるようですが、そういう人の方が近くが早めに見えにくくなる分、むしろ老眼鏡の必要性が高いのです。

 

遠視も老眼もメガネは凸レンズを使用するのが通常なので、これも遠視と老眼がごっちゃになる原因かもしれません。

しかし強度近視の人が老眼になった場合は、凸レンズのメガネは使えませんのでご注意ください。

例えば-5.00Dの人に+2.00Dの老眼鏡をかけさせると、-7.00Dの近視の人と同様の見え方になりますので、逆にもっと近づけないと見えなくなってしまいます。

そのため強度近視の老眼鏡は、弱い凹レンズを使用します。

 

ただし日常的にコンタクトレンズを装用している人なら、そのまま凸レンズを使うのはアリ、です。

コンタクトレンズで近視が矯正されている状態は正視や軽度近視の状態と同様ですので、凸レンズメガネは有効です。

でも今は遠近両用のコンタクトレンズがありますので、わざわざコンタクトレンズの上からメガネにするよりも、その方が良いと思います。

 

もう一つ重要なのは「目のケア」です。

今までは意識しなくても楽に見えていたものが見えにくくなると、どうしても見る時に力が入ってしまいます。

それが目の疲れの増加につながりますので、若い時よりもしっかり目を休ませたり疲労回復を行ないましょう。

 

それで言うとお勧めは「超音波治療器ソニマック」ですね。

これは目の疲れを取り除いてくれる医療機器で、正直視力回復効果はそこまで期待できませんが、疲労回復効果はかなり期待できます。

老眼の方がご相談に来られたら、まずこれを一番におススメするくらいです。

 

使い方も簡単なので、わざわざ通う必要もありませんしね。

気になる方は当ブログの過去記事「超音波治療器のススメ」をご覧ください!

 

 

◇まとめ◇

近視・遠視・老眼は、どれも症状・眼球内に起こっていることは全く違う別のものです。

「近視で老眼」「遠視で老眼」は普通にありますが、「近視で遠視」は絶対にありません。

※「右目は近視で左目は遠視」と言う状態は別

 

X(旧ツイッター)とかで「私は近視と遠視と乱視持ち」とかいうのは、遠視を老眼と勘違いしているのか、を間違った思い込みされているのか・・・。

中には「近視と遠視に加えて老眼も入ってきた」なんてつぶやきもありましたが、「お、おぅ・・・」となってしまいます。

 

しかし見ていると「私は強い遠視で~」という呟きが意外と多く見られます。

もしかしたら筆者が考えているより遠視の人は多いのかもしれません。

でも「遠視のメガネをかけると目が大きく見えるので良かった」という呟きには笑いましたwww

※近視のメガネは凹レンズで目が小さくなって見えますので、これを気にする女子は少なくありません。

 

それはさておき「遠視は遠くが見えるから良いよね~」と言う人もいますが、強い遠視は遠くも見えませんので、あまり安易に言わない方が良いと思います。

また、中には「遠視は遠くが見えるのにメガネなんて可哀そう」というような事を言われた弱視の子もいるようです。

全くもって的外れな話ですので、もし似たようなことを言われた方、一切気にする必要ありませんからね!

 

それを気にして子供がメガネをかけなくなり、弱視の治療が遅れたなんてことになれば、その方がよっぽど可哀そうです。

先ほどの話じゃないですが「目が大きく見えて可愛い!」くらいに思っておけば良いと思いますよ。

 

 

関連ページ:

遠視は近視よりも視力回復がしやすいです!

幼児の強い遠視は要注意!

子供の弱視治療の最適解とは

 

今回のブログを読んで「もっと詳しい話を聞きたい」「是非視力回復トレーニングをやりたい」「メガネのアドバイスを聞きたい」という方は

【インターネット予約】

【フリーダイヤル:0120-897-449までお電話】
※スマホの方は↑タップで電話がかけられます!

上記いずれかの方法でご予約の上ご来所ください!

————————————————————————————-

あなたの視力はどこまで回復する?視力回復チェックシート

あなたの視力はどこまで回復する?視力回復チェックシート
  • 視力回復とは
  • 視力回復トレーニングについて
  • 体験者の声

視力回復見込みチェック 初回無料 詳しくはこちらから御覧ください

資料請求 ご予約・目に関するご相談はお気軽に TEL 0120-897-449

br keihan_master